チームの Slack で、こんなやりとりを見かけることがあります(ありませんか?)。
「○○の依頼が流れてきましたね…」
「そろそろ情報整理した方がいいかなぁ…」
こういう“つぶやき風”のメッセージが流れても、誰も反応しなかったり、「いいね」のリアクションだけで終わってしまったりすることがあります。当然ながら、依頼は処理されず、情報整理も進みません。
リクエストを明確にすると仕事が早く終わる
このような時に大事なのが「自分のリクエストを明確にする」ことです。
例えば「○○の依頼、やれる人いますか?」「○○の件、XXさんお願いできますか?」といった形で、何を求めているのかをはっきり伝えることで、「どう反応すればいいか」理解しやすくなります。
また、反応するコストが下がり、やり取りが早くなり、結果としてその活動が早く終わる可能性も高くなります。
行間を読ませるコミュニケーションはコストが高い
一方で、冒頭のようにリクエストが曖昧だと、受け取った側の頭の中ではいろんな思考が浮かんできます。
- 「ただのつぶやきかな?」
- 「何か頼みたいのかな?」
- 「自分も忙しいし、どう返すのが正しいんだろう…」
- 「無視するのも悪いし、でも手を上げるのは難しいし…」
Slack に書いては消し、書いては消し…という経験、ありませんか?
このようなことが起きる背景には、もともと日本では「空気を読む」「行間を読む」といった”察することを期待すること”も関係しているように思います。
しかし、文字コミュニケーションが中心の環境では、この”察する”前提が機能しにくくなります。
聞き手はその文字情報から「本当は何を求められている?」と頭の中で推測を始め、そこでまた認知負荷がかかります。
さらに、察して行動しても期待とズレていることがあります。
その結果としてお互いにモヤッとした感情が残ります。
このように認知負荷が高いとチームの時間とエネルギーが無駄になってしまいます。だからこそ、リクエストを明確にすることが大切なのです。
率直にリクエストを尋ねる
「で、○○さんはどうしたいの?誰にどうしてほしいの?」
これは相手のリクエストを明確にするための問いです。
こういう聞かれ方に慣れていない人、チームにとっては「ウッ」と思う人もいますし、場全体になんらかの影響を及ぼすことがあったりします。
そのような場合には、責めるような口調ではなく、”よりスムーズに仕事をチームで進めるために知りたい”というトーンで聞くようにしています。
また、ある程度慣れるまでは「なぜこのような聞き方をしているのか?そうすることでなにを大切にしているのか?」といったことを繰り返し伝えることもあります。
リクエストを伝えるためのちょっとした工夫
リクエストを明確に伝えるのは、最初は少し勇気がいるかもしれません。
「相手の判断を奪ってしまうのでは?」「お願いが命令っぽくなるのでは?」「自分が判断する立場ではない気がするのにお願いしていいのかな」「きつく聞こえないかな」といろいろと浮かんできて、迷う気持ちもよくわかります。
だからこそ、チームの中で 「リクエストは明確に伝える」という約束ごとをつくっておくのも効果的です。
もちろん、約束ごとを作ったからといって、いきなりできるわけではありません。自分たちにこの考え方があっているか、どんな気持ちもになるのかはわからず不安だったりします。
そういう場合に「まずは1週間だけ試してよう」といった小さく試して、検査することで続けるか、少し形を変えてみるかといったことを判断できます。
このように少しずつ練習しながら慣れてくると、やり取りがスムーズになり、無駄な認知負荷やモヤモヤも減っていきます。
※この記事はレッドジャーニーのアドベントカレンダー13日目の記事として書きました。

