月別アーカイブ: 2012年2月

フリカエリ

[仕事]「可視化」と「見える化」で書いた勉強会で、「朝会」と「見える化」ともう1つ「フリカエリ」について考えることがありました。

今のチーム(約2年)では原則、(Scrumの)イテレーション毎にフリカエリを行い、そこではKPT(Keep/Problem/Try)のフレームワークを使っています。

やり方はほぼプロジェクトファシリテーション実践編 ふりかえりガイド(※リンク先はPDF)の通りです。
以下は、今のチームでやっている工夫や気づいたことです。

W(分かったこと)を書き出す

KPTに似たようなフレームワークで「YWT」というものがあります。
Y(やったこと)・W(わかったこと)・T(次にやること)というもので、弊社ではひょっとするとKPTよりこっちに慣れている方が多いような気も・・・。

Keep・Problemといった事象やアクションから「感じた」何かがあると思います。
それを「W(分かったこと)」として書き出します。
分かっこと自体がTryなどの直接のアクションになることは少なくても、それをさらに深く考えることで別のTryに結びつくこともあります。

日常的に書き出す仕組み

youRoomをコミュニケーションツールとして使っています。
そこにイテレーション開始時に”あらかじめ”フリカエリ用のスレッドを立てておきます。そして、日常の開発などで「あっ!これはPかも」「次はこんなこと(T)したいなぁ」と思えば、すぐに書き込むようにしています。

イテレーション終了時のフリカエリより先にPの内容によってはすぐに対応できます。
早く対応した分だけ、チームのパフォーマンスが上がります。
なかなかチーム全員が開発に集中しているとPへの対応は後回しになりがちですが、そこはスクラムマスターがうまく動くことである程度はカバーできると思います。

Problemの深掘り

これは最近やり始めたことです。

Pに対してTを書き出しますが、中には「本当にそれでPは解決する?もう少し深く話した方がいいのでは?」というものもあります。
例えばPの原因が実は根深かったり、TがPの対処療法にしかなっていない等です。

このような場合、(KPTが一通り終わった後)新しいホワイトボードにPを中心としたマインドマップを使って深掘りします。
こうすることで「隠れていた本当のP」や「(Pに対する)より効果的なT」が見えてくることもあります。
(時間の関係で)全てのPを深堀りすることはできないことも多いので、チームが「これでできるのかな?」と半信半疑な雰囲気になっているPを取捨選択する必要があります。

ProblemのTry以外にも、チャレンジしたいTryを書く

(Pとは関係なくても)「こんなことにチャレンジしたい!」という意味のTも書き出すようにしています。
そしてそれがPJの方向性と合うのであれば、実際にその手を上げたメンバーを中心にして、次のイテレーションなどでやるようにします。

(サインアップのように)「自分がやりたい!」と手を挙げることで、その質やコミット感が強くなるのが良い点です。
Pに対するTは(改善ではあるものの)、(内容によっては)「できていないこと」にフォーカスが当たりがちです。
ですので、前向きにやる…とのが難しいこともあります。

それとバランスを取るように「チャレンジしたいT」を使ってみると良いと思います。

同じProblemが上がっていないかを見る

同じチームで何度かフリカエリをやっていると「あれ、これって前も同じようなPが上がっていなかったっけ?」というシーンが出てくることもあります。
同じPが出ていると、ひどい場合には、チームの中に「どうせ変わらないし…」という負の感情やマンネリ感が出てしまい、あまり良い状態ではなくなります。

そこで毎回フリカエリのKPTを(写真などで)残しておき、次のフリカエリでそれを眺めて、同じようなPが上がってないか?を見るようにしています。
そのようなPがあるなら、その根本原因やTを工夫しないと、また同じ結果になってしまうのでチームで対応を考える…例えば、上に書いた「深堀り」の対象にするなど…必要があります。

気づき:暗黙知となったKは減っていく

同じチームでフリカエリを行なっていると(PやTはそれなりに出ているのですが)Kは少なくなっていきました。
チームの状態が悪くなったわけではなく、そのKがチームにとって当たり前になり「暗黙知」になったのです。
そして「あえて書き出すまでもない当たり前のこと」になり、Kとして出ることがなくなったわけです。
新しいメンバーが入って、そういう暗黙知を「K」として書き出すことで改めて、チームがその良さに気づくということがありました。

このように、いくつか工夫はしていますが、最初に上げた「プロジェクトファシリテーション実践編 ふりかえりガイド」に書かれているほぼその通りです。

大事なのは(リーダーなどを含めた)チーム全員が、そこに書かれている心持ちや姿勢を取ることができるか?ということです。
その点では、(日常の)朝会に比べると少し難しいかもしれませんが、フリカエリをきっかけにチームが大きく変わることもあるのでチャンレジする価値はあります。

※注意:この記事は旧サウスポーなエンジニアの独り言から移行し一部修正したエントリです。

Photo by Acarlos1000 on Visualhunt.com / CC BY

朝会

朝会と夕会

[仕事]「可視化」と「見える化」で書いた勉強会で、「朝会」について考えることがあって、その後もチームで話すことがあったのでちょっと書いてみます。

今のチームでも、もちろん朝会をやっています。
そのやり方はほぼプロジェクトファシリテーション実践編 朝会ガイド(※リンク先はPDF)の通りです。

以下は、(別のチームも含む)過去の朝会でやった工夫です。

司会者持ち回り

最初はリズムを作るためにリーダーがやっていたのですが、リズムができてからは司会者をメンバー持ち回りでするようにしました。

背景として、若手メンバーにチームの朝会ではありますが、場を作って進めることを学んで欲しかったというのがありました。

自分が実際にその役割(ここでは朝会の司会)を実際にやってみないと、考察や気づきには至らないこともあります。
また実際にやってみることで新しい適性に気づいたりして、レベルアップにもなりますので「いまいち、若手が積極的でない…」という場合にはやってみても良いかもしれません。

プチふりかえり

当時はなかなか頻繁な「ふりかえり」がなかなかできませんでした。
社風的なこともあるのかもしれませんが「プロジェクトが終わった後に一気にやる」というアンチパターンな形が多かったように思います
#それでも「無し」よりはマシですが。

当時のチームは新人もいたので「頻繁なふりかえりとそこからのフィードバック」はきっと効果があると考えていました。
そこで、「朝会の延長戦」的な感じで、毎週金曜日の朝会の後に「プチふりかえり」と称して少し話し合うようにしました。

朝会と同じ場所ですので、チームの目の前には「今週にやったタスク」「次週にやるタスク」がタスクボード上に付箋としてあります。
#その会社の標準的なタスクボードでは(カンバンとは違い)時系列で作られていることが多いのです。

そのタスクボードをインプットにして、KPTをサッと話しあうようにしました。対象期間は1週間ですので、15分程度ですぐに終わります。

「ふりかえり」単独の場合「今回はちょっと忙しいからスキップしようか」となることもありますが、朝会はスキップされることが少ないので、このプチふりかえりを安定して行うことができました。

改善する点としてはKPTを書き出していなかった(話すだけ)ので、ここは書いておいた方が見えるようになるので、その点はこれからの改善点です。

退社時間の表明

「今日は19時に帰ります!」と宣言します。

こうすることで「今日やること」とのバランスが分かります。
「今日やること」が残業そうな量なのに「定時で帰ります」と宣言していると、タスクが漏れていたり、勘違いしているのでは?と気づいたりします。

また表明することでその表明した人にも良い意味のプレッシャーがかかり(いつも以上に)集中できます。
#「あれ?○○さん、19時過ぎたよ、帰らないの?」なんて声がかかって来ることもありました

さらに他のメンバーとのスケジュール調整ができるようになります。

「19時に帰る」と表明したメンバーに仕様の相談、レビューなどをお願いする場合、18時半ではなく、15時とかにお願いする必要があることに気づき、そうであれば、タスクの順序を変えるなどというようなことができます。

定時の予定を(プロジェクト状況次第ではありますが)ちょっと気をつければ防げた的な予期せぬ割り込みタスクで影響を受けるのが好きでないので、このルールは助かりました。

夕会

同僚が(朝会と)夕会をやっていたチームにいたこともあって、それについても考えてみました。

予定通り行っていないことやハマっていることなどの心配事を夕会で言う(はき出す)ことができるので、退社後から朝会までの間ではありますが、あれこれ気にかけることが少なくなります。特に週末などは効果が高そうです。

ちょっとやればクリアできそうであれば、夕会後、ペアプロなどで対応すれば、スッキリしてその日のタスクを終えることができます。

また「本当に今日それが必要なのか?」「(残業が必要でも)他の人とペアでやったりすることで早くできないか?」などを考える場にもなり結果的に不要な残業も少なくできます。

ここで大事なのは、2交代制(でも人が変わらない)のプロジェクトのように「後半戦(長時間残業)開始の合図」にしてはダメということです。

特別な準備もないのでまずは朝会をやってみる

朝会はお金がかからないですし、特別な準備もそれほどは不要です。

もちろんより効果を出そうとすれば、見える化された情報は必要になります。
が、まずは集まって「リズムを作って」「隣の人が何やっているか知る」ようにしてみてはどうでしょうか?
そうすると「もっとこういう情報が見えた方が朝会が効果的になるよね?」と改善していくと思います。

※注意:この記事は旧サウスポーなエンジニアの独り言から移行し一部修正したエントリです。

※アイキャッチ画像:http://www.flickr.com/photos/practicalparticipation/4055214381/

見える化

「可視化」と「見える化」

先日「プロジェクトファシリテーションパーティ2012」に参加してきました。
#参加した皆さん、お話していただいた皆さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました!

参加したセッション

マルチセッションだったので、迷いましたが、以下に参加しました。
パーティー2:「実録!プロジェクトファシリテーションのWEBサービス開発運用現場への適用記」
パーティー4:「ようこそ“プロジェクトマネジメント保健室”へ!」
パーティー5:「上司・同僚にファシリテーションの重要性を体験してもらうワーク」

特に「実録!プロジェクトファシリテーションのWEBサービス開発運用現場への適用記」のセッションは「いつかお会いしたいなぁ」と思っていた方々の一人である、こしば(@bash0C)さんということもあって強く印象に残っています。

ここでは「ふりかえり」「見える化」「朝会」について「話す」→「グループでディスカッション」という流れで、@fkinoさんと@daiksyさんと同じテーブルでした。

お二人とはコンテキストは(多少)違うものの、マインドの部分は近いように思えたので、話が盛り上がりました。
そしてこの日一番の気づきもこの会話の中で出てきました。

一番の気づき

「『可視化』と『見える化』は違う」という@fkinoさんの言葉でした。ディスカッションした末の私の解釈は以下のようなものでした。

「可視化」と「見える化」は共に情報や事象を「見えるようにする」という点では同じです。
ですが「可視化」は「見えている」までで止まっています。
一方「見える化」は「見えている」情報や事象に対して【フィードバックができる】状態にあります。

【フィードバックができる】状態とは?

「こうしたらもっと良くなるよ」などのアドバイス、「こういう風にして欲しい」というより良くするリクエストをチームや関係者の間でやり取りできることです。
それには、場作りを含めた雰囲気、コメントをサクッと付けることができるツールだったり、プロセス、そのアドバイスを受け入れる姿勢などが関係してきます。

時々、上手く行っていないチームやプロジェクトに対し、この違いを分かっていないちょっと偉い人がテコ入れにやって来て「まずは『見える化』しろ」というシーンがあります。

その時にこの「可視化」と「見える化」の違いを意識していないと「よし、これで『見える化』ができた。大丈夫だ」と自己満足で終わってしまいます。

今まで見えていなかったことが見えるようになったのは最初の一歩としては良いのですが、その「可視化」されたことへフィードバックする環境ができていないことが多くあります。
つまり「見える化」できていないわけです。

これではチームはやる仕事(=可視化するためのタスク)が増えたにも関わらず、自分達の状況は改善しないことになり、ますますモチベーションが下がり、バラバラになってしまいます。

というわけで、「見える化」を目指す場合、「見えるようにする」のと「フィードバックができるようにする」の2つを意識する必要があるということでした。

「可視化」だけではうまく行かない

今まで、こういう「見える化」を何度もやってきた中で、うまく行った時、改善が出来た時は、この「フィードバックできる」環境に意識して、もしくは自然になっていたように思います。
一方、「なんかうまく行かないなぁ」という時には「可視化」で止まっていたことが、はっきりと分かりました。

他のセッション、懇親会でも色々な人の考えを聴いたり、自分の考えを整理して話すことができたりして、良い時間でした。

※注意:この記事は旧サウスポーなエンジニアの独り言から移行し一部修正したエントリです。

※アイキャッチ画像:http://www.flickr.com/photos/caroslines/1371200717/