月別アーカイブ: 2009年1月

週次フリカエリ

最近、お客様への納品が終わったプロジェクトで採用した「プチフリカエリ」について書きます。

(私の所属企業、かつ、知っている範囲では)「フリカエリ」は(大規模プロジェクトでは)工程の終了時、(小規模プロジェクトだと)プロジェクト終了時に行うことが大半です。

それ自体は有用なのですが、時間が空くと「フリカエリ」の効果も薄くなるので、私は「プチフリカエリ」と(勝手に)名付け、毎週金曜日の朝会の一部で行っていました。

普段の朝会では「昨日やったこと」「今日やること」「(あれば)問題点」を簡潔に述べ、あまり所感などは言うことはあまりありませんが、「プチフリカエリ」では「今週のタスクから学んだこと(と、簡単な感想)」を簡単に発表します。

「プチフリカエリ」をした理由として…。

1:メンバーの構成

このプロジェクトは私を含めて4人で、(技術的に優秀ですが)もう少しアンテナを広げて欲しいと(個人的に思う)若手メンバー、新人、そして、パートナーさんという構成でした。
このパートナーさんは仕事や技術に対する姿勢から学ぶべきところが多く、そこから吸収して欲しいと期待したためです。

2:プロジェクトの特性

もう1つは(期間としては短かったですが)、要件定義を除く、外部設計からシステムテスト、そして納品までシステム開発のほぼ全工程のプロジェクトでしたので、各工程で気付くがあるだろうと(特に新人には)。

結果として、ほぼ毎週行い続けたこともあってか、各工程でそれぞれ何らかの気づきや学びがあったようです。
#私自身も今回のプロジェクトでは学ぶことが多くありました。それはまた別エントリに書くとして。

ストレッチ的な目標として「学んだこと」から、深掘りした考察や横展開をする等して、各自の基礎能力(仕事力みたいなもの?)の底上げができれば…と期待はしていました。
本音を言うと、そこまでは至らなかったのが少し残念です。

とは言うものの、この習慣が根付いて、次やまたその次のプロジェクトは各自が一段上のレベルで仕事をしてくれれば良いなぁと思っているわけです。

※注意:この記事は旧サウスポーなエンジニアの独り言から移行し一部修正したエントリです。

Photo credit: -will wilson- via Visualhunt.com / CC BY-NC-ND

ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ[読書感想]

ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ
著者:横田 尚哉

問題解決がテーマの本は色々読みましたが、その中でも良書の部類に入ると思います。

ポイントは題名にある「ファンクショナル・アプローチ」という手法です。
ある程度、この分野(問題解決)の知識、経験があれば題名の通り「ワンランク上の」考え方として使うことができると思います。

◆目次
1章 ワンランク上の問題解決とは
2章 実践ファンクショナル・アプローチ―ステップ1・準備
3章 実践ファンクショナル・アプローチ―ステップ2・分解
4章 実践ファンクショナル・アプローチ―ステップ3・創造
5章 実践ファンクショナル・アプローチ―ステップ4・洗練
6章 日常をファンクショナル・アプローチで考える
終章 目標に向かって、とるべき針路を見つけよう
付録 ファンクショナル・アプローチ・シート

私が印象に残った箇所を羅列すると…。

問題解決のカギは「問題の認識」と「改善点の特定」

ワンランク上の問題解決をもたらす思考のルール

1:固定観念にしばられず、前回と違った方法を試してみる
2:手段にこだわるのではなく、改善点に焦点を当てる
3:「見落とされている改善点」を探す
4:過去を手放し、未来のあるべき姿から発想する

身体的/精神的に疲れていて、余裕が無い状態だと安易に↑の思考に陥ってしまい、せっかくの問題解決の機会を逃していないか自問します。

「それは何のため?」「それは誰のため?」

これらの答えに窮するのであれば無駄な努力(=そもそも目的がおかしい)というロジックです。
似たような思考で、私は「これが解決すると誰がハッピーになる?」と考え、そしてそのハッピーになる人物にとって「どうあって欲しいか?」と思いを巡らせ解決策を考えたりします。

「手段志向」よりも「目的志向」

(上の話と似ていますが)問題/課題に対して「どのように~」と考えるのが手段志向で、「何のために~」と考えるのが目的志向であると定義し、目的志向で考えていきましょう(これが本書でいう「ファンクショナルな視点を持つ」ということ)ということです。

より効果的な解決手段を見つける5つのヒント

1:使用者優先の原則
2:機能本意の原則
3:創造による変更の原則
4:チームデザインの原則
5:価値向上の原則

ファンクショナル・アプローチの4つのステップ

準備→分解→創造→洗練とありますが、特に「分解」の記述は興味深いものでした。
上位/下位を設定したファンクションに対し…
「もし上位ファンクションが必要なくなれば、下位ファンクションも必要なくなるか?」
「下位ファンクションは、上位ファンクションの達成に役立っているか?」
「もし下位ファンクションが機能しなければ、上位ファンクションはまだ機能しないか?」
…と問いかけし、それに違和感があれば、問題/課題に対する目的が間違っているというロジックです。
そしてそれらを繰り返す中で問題/課題の本質であるキー・ファンクションを見つけ出していくという内容です。

ひょっとすると他の問題解決の手法や考え方を知らない方が読むと比較検討ができなかったりして、理解が少し難しいかもしれませんが、何度か読み、実践をこなすことで「あ、そういうことか!」と分かると思います。

※注意:この記事は旧サウスポーなエンジニアの独り言から移行し一部修正したエントリです。

Photo credit: Create-Learning Team Building & Leadership via Visualhunt / CC BY

1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術[読書感想]

1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術
著者:斎藤 岳

題名の通り、会議/打合せでいかに(参加者全員が納得し、次のアクションへつながる)結論を出すかを書いています。

◆目次
第1章 「結論を出す能力」を身につけよう(なぜ、会議の技術を学ぶのか
世の中に溢れる「メタボ会議」 ほか)
第2章 会議・打ち合わせを科学する(「結論が出る」メカニズムとは?
会議の「負のループ」を断ち切るには? ほか)
第3章 会議・打ち合わせの技術を知る(ゴールはなに?
アイスブレイク・巻き込み ほか)
第4章 困った!問題にどう対処する?(問題のある参加者にどう対応するか
グループが問題に直面したときにどう対処するか)
第5章 プロジェクトにおける会議のコツを学ぶ(「メタボ会議」ではプロジェクトは失敗する
難易度が高い会議では、準備が重要 ほか)

よく見かけるNGな会議/打合せを「メタボ会議」と名付け、それをなくすために「7つの心得」「11の技術」を紹介していくという流れになっています。

私が印象に残った箇所を羅列すると…。

「発散」「収束」のギアチェンジ

私自身が心の中で気をつけているつもりですが、参加者全員で共有できているか?、また、場の雰囲気がそうなっているか?までは辿り着いていないなぁと。

GAPのP(Point of view)

ハッとさせられました。G…Goal、A…Agendaは意識していてもPまで意識できているかは弱いかも…。

良くない会議の特徴

これに陥っていないか?をセルフチェックに使えそうです。

キーワード「今日のゴールはなに?」

特に社外のお客様との打合せに一緒に行くメンバーと事前に意識合わせをして「打合せが終わった時にどんな状態になっていればOKなのか?」を共有しておきます。

ラップアップ

色々話した末の結論の確認は大事で、これを怠ると「で、結局どうなの?」とまた振り出しに戻ってしまいまうこともあります。

後半の「困った人/状況への対応」部分は、後付けな感じがして少し蛇足かな?と思いましたが、前半…特に事例はOK/NGケースをそれぞれ対比しており、分かりやすく「すぐに実践できる」内容が多いように感じました。

※注意:この記事は旧サウスポーなエンジニアの独り言から移行し一部修正したエントリです。

Photo credit: shoothead via Visualhunt.com / CC BY-ND

情報を伝える際に気をつけていること

プロジェクトメンバーなどに何か情報を伝える際に私が気をつけていることの1つに「情報は(自分が思っているよりも)多めに伝える」があります。

伝達する情報は過不足ないことが理想です。
とは言うものの、この「過不足」が難しく、伝える相手の過不足が分からなかったりして、できない場合も多々あります。
その場合に先に書いたように「情報を多めに伝える」ように意識しています。

情報が「過少」だった場合、「情報が少ない」ことに気づかず、見えていない事象の存在自体に相手も(そして自分も)気づかないまま、コミュニケーションロスとなる可能性があります。

一方、「過多」であればコミュニケーションロスの危険性は少なくなります。
そしてその情報から取捨選択することで(目的である)過不足のない情報を得ることができるのでは?と考えています。

#ただ情報の「過多」はその多すぎる故に溺れてしまい、本質が分かりにくくなる、(本来必要な事象を)見落とすという危険性もあります。その対処としては、(伝える側と受ける側)双方が取捨選択をしていく過程で削ぎ落として行けると思います。

まずは情報を「全て」出すことを優先し、後々「あ、これも話してないわ」「検討していない」というリスクを減少させる一手段かなと思います。

余談ですが、別のエントリにも少し書きましたが、インターネットが広まるまで「情報をいかに手に入れるか?」という能力が必要だったように思います。
また(情報を手に入れることができないので)少ない情報から周囲の関連情報や本質を導き出す、想像力や洞察力も必要だったように思います。
#実際にそれを意識/無意識に発揮している人が多かったように思います。

しかし、インターネットがここまで広がったことで「簡単に手に入るたくさんの情報から、どう必要なものを見つけるか?」という能力が必要になっており、それを得意とする人が多くなったいように思います。
#裏を返すといまいち想像力や洞察力に欠ける人もいて、残念に思うこともありますが…。

※注意:この記事は旧サウスポーなエンジニアの独り言から移行し一部修正したエントリです。

Photo via VisualHunt