年別アーカイブ: 2022年

「自分がどんな変化をしたか?」を言葉にする

これはなに?

こちらはレッドジャーニーアドベントカレンダー25日目の記事です。
前日は市谷さん(@papanda)のそれでも、デイリースクラムをやらない理由とは?
でした。

レッドジャーニーのアドベントカレンダーを書いていて感じたこと

12月1日に始まったこのアドベントカレンダーも最終日になりました。

1日目のアドベントカレンダーで、森實さん(@samuraiRed)がアドベントカレンダーをやるということ でこのように書いていました。

我々のアドベントカレンダーの目的は自分たちの「発信力強化」。
つまり、自分たち自身のトレーニングとしてアドベントカレンダーをやっているのです。

25日書き続けたことがどのような変化を産むことになるかわかるにはもう少し時間が必要です。
それでも「レッドジャーニー全員で25日間なにかを発信し続けたこと」自体は事実ですし、少しでも発信力がレベルアップしたかなと思います。

なによりより物事を考えるきっかけにもなります。

みんなの書いたアドベントカレンダーを見てて、普段考えていることを出発点にしてこの機会により物事を考えたんだろうなぁというブログもあり「みんな、変わっていっているんだな」と感じました(手前味噌ですが)。

私自身もアジャイルコーチとして、日々いろいろな組織、チーム、人々と関わり、そこで起きていることに向き合い、また何かを起こそうと共に歩んでいます。そのような状況では”変化していくこと”は大事な要素の1つになります。

というわけで今回は”変化”について書いてみます。

どんな変化を自分がしたのか?

このブログを書いている25日の朝、市谷さんとのいつもの雑談で「自分はこの1年でどのような変化をしたのか?」という話をしました。

その中で「あまり自分は大きく変化していないのではないか?」と感じた場面がありました。

日々、組織、チーム、人々と関わらせてもらい、そこでの出来事に向き合う中で、新しい理論や考え方、プラクティスと出会ったり、その出会ったものやもともと手にあったものをより効果的にうまく使えるように手に馴染むようにする。このようなことはやっていたつもりです。
そして、ありがたいことにクライアントからも一定の評価はいただいているようです。

一方で、「こういう明確な変化があった」とハッキリと言えない自分の存在に気づきました。
うまく言えないのですが、ロールプレイングゲーム(RPG)でいうと、今使っている武器の熟練度は上がっている気はしているけど、これまで使っていなかった武器やあまり取り組んでいなかった魔法については手には入っていない感じです。

このこと自体がダメとかそういうわけではなく、この1年の変化に対し、自分がどのような感覚を持っているのかがわかったというところです。

変化を意識できているか?

変化することそのものや変化したことについてさらに話していくうちに、”意識せず起きた変化”と”意識して起きた変化”の大きく2つがあるよねという話になりました。

それぞれの名前の通りですが、”意識せず起きた変化”は、自分では意識していないふるまいや考えが知らず知らずのうちに変わっていったという現象です。

一方、”意識して起きた変化”は、自分である方向に変化することを意図し、その意思を持って活動した結果として起きた変化を指しています。

“意識して起きた変化”は継続的な内省などで気づくこともできます。一方、”意識せず起きた変化”は自分だけでは気づくことができないこともあります。
この日も市谷さんとの会話の中で、まさに”意識せず起きた変化”について伝えてもらい、それについてどんな意味が自分にはあるのか?などを深く考えるきっかけになりました。

このように”意識せず起きた変化”を発見するための仕組みや環境づくり(その1つが定期的な雑談です。雑談のススメ)は大切と感じてました。

変化はすぐには訪れない

変化はすぐに訪れるわけではありません。
なにか新しいスキルを身につけて使えるようになるにはそれなりの期間、時間が必要になります。新しい考え方や振る舞いというもう少し内面に関わるようなことであれば、その期間はもっと長くなることもあります。

そして、その変化は緩やかなものです。時には停滞することもあるでしょうし、時には後退することもあるかもしれません。
それにRPGでレベルアップした時のように派手なファンファーレで教えてくれるわけでもないですし、レベルアップした瞬間から突然何かがうまくできるようになるというハッキリとした変化が見えるわけでもありません。

それでも”1年”という期間で見てみると、そこで取り組んできたこと、意識してきたこと、積み重ねてきたことによる変化はあります。きっと、1年前の感覚、場所とは違う感覚、場所にいることがわかると思います。

なにが言いたかったかと言うと。
日々の変化は小さすぎて見えないかもしれないけど、その期間を長くすれば見えてくるものもある。なので、少しやってすぐに捨てたり諦めるのではなく、やり続けることで起きる変化もあるよ」ということです。
※似たようなことを市谷さんも 1年かけて「成果がない組織」なんてないんだ。で書いています。

ちなみに日々の変化は小さいからと言って、日々の検査がいらないというわけではありません。
例えば、デイリーミーティング(Scrumならデイリースクラム)や毎週のふりかえりなどがその検査にあたりますが、その期間で発見できる変化ももちろん多くあります。

おわりに

今回は”変化”について書いてみました。

2023年12月には「自分はこんな変化をしたよ」と明確に言えるように、また活動していきます。
みなさんにとっても「自分がどんな変化をしたか?」を言葉にするヒントになれば幸いです。

Photo by Brett Jordan on Unsplash

効果的な会議のために取り組んでいる3つのこと

これはなに?

こちらはレッドジャーニーアドベントカレンダー18日目の記事です。
前日は市谷さん(@papanda)の正しいときに正しいことをするでした。

会議が連続した時に思ったこと

アジャイルコーチという仕事柄もあり、連続していくつかの会議に参加することがあります。それぞれでの期待されている役割は様々ですが、それでも3つほど連続して終わった時には疲れていることもあります。
特にリモートワークが中心になってからは、連続する頻度やその時間が多くなっています。

このような中で「このように疲れているのは自分だけやろうか?」「もっとこの場を効果的にするためにどんなことが工夫できるやろ?」と思い、取り組んでみた3つのことを今回のエントリでは書いてみます。

会議を効果的にするポイントは、会議そのものだけでなく、アジェンダやその設計など準備段階でもいろいろなものがあります。
今回はその準備段階ではなく、実施の段階に絞っています。準備段階に興味がある方は、もう少し広い範囲を対象にした書籍やスライドなどを探してみてください。
※参考:私のScrapboxにも会議のやり方というタイトルでいくつかのTipsを書いています。

取り組んでみた3つのこと

  1. 時間を枠いっぱいに設定しない
  2. その場でタスクを終わらせる
  3. 場のふりかえりをする

時間を枠いっぱいに設定しない

最初に1時間を取っていた場合、その1時間すべてを使うのではなく、45分や50分で終わるように設定します。もちろん、アジェンダなどの設計もその時間に合わせます。

オフィスにいると、ギリギリまで会議をしていると移動時間が次の予定にかぶってしまったり、休憩が取れなかったりします。
またオンライン環境だと移動時間を考慮をしなくて済むからか、本当に次の予定のギリギリ10秒前まで前の会議をやっていることもあります。そして、バタバタと前の会議を終えて、次の会議に突入していきます。
このような時には、次の会議に関わる質がかなり変わってくることもあります。

そのため、前の場をちゃんと終わらせ、自分の気持ちや頭をリセットします。そして、次の予定の準備をするための時間が必要と考えます。
そのための”時間を枠いっぱいに設定しない”という工夫です。

またオンライン環境だと座っている時間が長くなります。ここでも時間を枠いっぱいに設定しないことで、立ち上がってストレッチをしたり休憩して、次の予定にフレッシュな状態でのぞむことができます。

余談ですが、GoogleCalendarの”会議の迅速化”オプションを選んでおくと予定のデフォルトを50分などにすることができます。

参考

その場でタスクを終わらせる

2つ目は、”その場で出たちょっとしたタスクをその場で片付けるようにする”というものです。

例えば「Xという予定をカレンダーに登録する」「○○さんにZの件についてSlackで声をかける」などちょっとしたタスクがその場のTodoとして出ることがあります。これを「会議が終わった後にやっておくわ」とすると漏れたり、思っていたより遅くなってしまうことがあります。特に会議が連続すると、そのちょっとしたタスクが数時間後だったり、終わった頃には疲れていて翌日になってしまうこともあります。

なので、このようなちょっとしたタスクを会議の場の中で終わらせます。
場が終わる時にはタスクも終わり、安心して次の予定に向かうことができます。

こういう風にやってみると、認識のズレが起きにくいという副産物もあります。
その場で出たタスクなので記憶も新鮮ですし、その場にいる人みんなで作業したり確認したりする一種のモブワークの形になることが多いです。
非同期だと、一見効率的に時間を使うように思いますが「あれ?その方向で良かったんだっけ?」「そういうつもりではなかったのに…」というような認識のズレが起きることもあります。このようなことが置きにくくなります。

場のふりかえりをする

3つ目の工夫は、最後の5分などで”場のふりかえりをする”というものです。

時間ギリギリまで議論して「じゃそういうことで!」という感じで次の予定に行くのではなく、以下のようなことを簡単に話し合ってみます。

  • この場がどうだったのか?ゴールにたどり着くことはできたか?
  • そのゴールは自分たちにとって満足か?
  • 自分はここで十分に貢献することができたのか?
  • 自分たちはもっとうまくできるとすればどんな風にすればよいか?

アジェンダの改良点など準備やその場の流れのような観点のヒントが出るかもしれません。
またその場での個々の感情に光を当てるような問いかけだと、その変化が表に出てきて、どのように感じていたかをみんなが知ることができるかもしれません。

場のふりかえりは、以降の場のカイゼンだけでなく、一種のチェックアウトのような効果もあります。その場のことをその場に出し置いていくことで、新たな気持ちで次に向かうような感覚です。

参考

おわりに

今回は効果的な会議のために取り組んでいる3つのことを書きました。
不要な会議はなくしたりすればいいと思いますが、必要な会議もあります。そのような会議をより効果的にするためのヒントになれば幸いです。

Photo by Samsung UK on Unsplash

スクラムマスター自身で自分自身を検査する1つのアプローチ

これはなに?

こちらはレッドジャーニーアドベントカレンダー11日目の記事です。
前日は市谷さん(@papanda)の組織の「左手」は、自分たちの「右手」のことを知らないでした。

このエントリでは「スクラムマスター自身で自分自身を検査する1つのアプローチ」について書いてみます。
合わせて同僚の森實さん(@samuraiRed)が書いている100日後に死ぬスクラムマスターを読んでみると理解が広がるかもしれません。

「自分自身がスクラムマスターとしてうまくやれているかわからない」という声

スクラムマスターとして活動してしばらくした後のスクラムマスターがこのような悩みを持ったりすることは割とあるようです。
支援先のスクラムマスターたちとの会話でもよく耳にしますし、(もうずいぶん前ですが)自分自身がスクラムマスターとして活動し始めた頃にも持った悩みだったようにも思います。

この状況に対する1つのアプローチとして「スクラムマスター自身で自分自身を検査する」というのがあると考えています。
その検査するための物さし、基準にはどのようなものがあるでしょうか?
多くの先達が書き記した書籍やインターネット上にあるスライド、ブログなども参考の1つにできると思います(もちろんコンテキスト依存だったりするのでそのままの適応はできないかもしれませんが)。
こういう、困った時に”原点に戻る”ことは比較的、筋の良いアプローチです。というわけで、ScrumGuideにはどのように書いているか見てみましょう。

スクラムマスターは、さまざまな形でスクラムチームを支援する。

  • 自己管理型で機能横断型のチームメンバーをコーチする。
  • スクラムチームが完成の定義を満たす価値の高いインクリメントの作成に集中できるよう支援する。
  • スクラムチームの進捗を妨げる障害物を排除するように働きかける。
  • すべてのスクラムイベントが開催され、ポジティブで生産的であり、タイムボックスの制限が守られるようにする。

スクラムマスターは、さまざまな形でプロダクトオーナーを支援する。

  • 効果的なプロダクトゴールの定義とプロダクトバックログ管理の方法を探すことを支援する。
  • 明確で簡潔なプロダクトバックログアイテムの必要性についてスクラムチームに理解してもらう。
  • 複雑な環境での経験的なプロダクト計画の策定を支援する。
  • 必要に応じてステークホルダーとのコラボレーションを促進する。

スクラムマスターは、さまざまな形で組織を支援する。

  • 組織へのスクラムの導入を指導・トレーニング・コーチする。
  • 組織においてスクラムの実施方法を計画・助言する。
  • 複雑な作業に対する経験的アプローチを社員やステークホルダーに理解・実施してもらう。
  • ステークホルダーとスクラムチームの間の障壁を取り除く。

このように、支援の対象はスクラムチーム、プロダクトオーナー、組織の3つあり、それそれ4つの活動・行動があげられています。
この活動1つ1つを物さしとして、スクラムマスターとしての自身の活動を照らし合わせてみることで、検査が進むのではないかと思います。

もちろん、活動だけが大事ではなく、その活動の先にある周囲にもたらすもの(価値)も大事です。
ですが、まずスクラムマスターに取り組み始めてしばらくの間は活動の検査にフォーカスしてみるのもいいかもしれません。

スクラムマスターたちと実際にやってみて得られた3つのきっかけ

以下は、支援先のスクラムマスター(1〜3人)とアジャイルコーチとで実際に何度かやってみて、主に得られた3つのきっかけです。

具体的な活動を整理するきっかけになった

自己管理型で機能横断型のチームメンバーをコーチする。

「この活動に対して自分はどのようなことをやっているか?」という問いかけが起きました。
あるスクラムマスターは、メンバーとの1on1の中で、自己管理型が進んでいる状態を話し合ったり、その状態において自分たちは今、どこにいそうかといったことを話していました。
また別のスクラムマスターは、スキルマップを作り、その変化を検査することで、機能横断型のチームに近づいているかを意識していると話していました。

このように自分たちの具体的な活動がどんなものかを整理するきっかけになりました。

活動がもたらした変化や価値を考えるきっかけになった

必要に応じてステークホルダーとのコラボレーションを促進する。

「これに関する活動をやってみたことで、どんな変化が起きたんやろうね?」と話し合いました。
社内のステークホルダーと期待のすり合わせができて、協力を得やすくなったり、「あいつら大丈夫かな」となんとなく懐疑的に思われていた様子が変わっていったという話もありました。
社外のステークホルダーの1つである実際の利用者への理解の度合いが変わり、「これって刺さらさそうだから下にしよう」「ムダなものを作らないようにしよう」といったようにプロダクトバックログが変わることもありました。

Scrumを深く理解するきっかけになった

すべてのスクラムイベントが開催され、ポジティブで生産的であり、タイムボックスの制限が守られるようにする。

「”開催し”ではなく、”開催され”になっている。この違いはなんだろうか?」という話題が出た場もありました。
ちなみに原文(英語)だと”Ensuring that all Scrum events take place and are positive, productive, and kept within the timebox.”とあります。

(1つの解釈ですが)スクラムイベントはスクラムマスターが開催するものでなく、スクラムチームが開催するものであり、スクラムマスターはその場がポジティブで生産的になるように関わることが期待されています。その点から「開催され」といいう表現になっているのではないかという解釈を自分たちで見つけたりしました。

この3つ目のきっかけは1人でなんとなくScrumGuideを読んでいるとなかなか行き着くことの難しいものだったようです。

補足1:チームでこのようなことを話してみる

今回は主にスクラムマスターとアジャイルコーチでこのような場を作り、会話をした話を書きました。ですが、このような会話をスクラムチームの中でやっている現場もあります。

例えば、スクラムチームへの4つの支援を、チームはどのように見えているのか?どれくらい気づいているのか?どんな風に感じているのか?などを話し合ってみることで、スクラムマスターが自分自身のふるまいを変える参考になります。また、チームも今はスクラムマスターがやっているこれらの活動をどのようにチームに取り込んでいくのか?というきっかけにもなります。

補足2:人事評価のためのチェックリストに使わない

注意点として、これらの物さしを人事評価のためのチェックリストに使わない方が良いです。冒頭に書きましたが、これはあくまでスクラムマスターが自分自身で、よりチームにとって効果的な活動をし、価値をもたらすことを検査することを目的としたものです。

おわりに

Scrumに取り組む現場が増えてきていますが、まだまだスクラムマスターの活動やその価値といったものを(スクラムマスター自身も含めて)理解し、効果的な活用ができている組織、現場はそこまで多くないと私の観測範囲では感じています。
そのような状況が少しでも前進する1つの参考になれば幸いです。

Photo by Hudson Hintze on Unsplash

雑談のススメ

これはなに?

こちらはレッドジャーニーアドベントカレンダー4日目の記事です。
前日は市谷さん(@papanda)のそれでもなお、「何を変えるのか」1秒でも多く考えて欲しいでした。

最近、雑談していますか?

一時期に比べるとオフィスに行ったりする機会が増えてきたとは言うものの、以前のように気軽に雑談する機会が少ない現場もまだまだあると思います。

リモートワークが中心になる前の状況はどうだったかなと少し思い返してみます。
当時は毎日のように毎日のように支援先で様々な人と雑談をすることも多かったと思いますし、様々な勉強会やその後の懇親会などでも雑談が多くありました。

私は、人の経験や考えを聞いたりして、自分の考えを整理したり、一緒に何かを見つけたりする探索的な会話が好きでした。
このような探索的な会話を今回は雑談と呼びます。

そのため、このような状況の中で雑談の機会を意図的に作りたいと思い、この状況になってからいろいろな人と定期的にオンライン雑談をしています。

今回は私なりのオンライン雑談のやり方やそこから感じたことなどを書いてみます。

私の雑談のやり方

だいたい以下のようなやり方をしています。

  • 参加人数:原則2人、つまり1対1です。ごくごくまれに3人になることはありますが、ほぼほぼ2人の雑談です。
  • 雑談の間隔:だいたい2週間〜1ヶ月おきに場を持ことが多いです。もちろんお互いの予定が合わなくて前後することもあります。
  • 実施時間:基本1時間としています。実施する時間は相手によって朝早めだったり夜だったりします。10〜19時のようないわゆる業務時間内に雑談の場を持っていることはほとんどありません(支援先の人との場は除きます)。
  • やり方:Notionに1回の雑談ごとにページを作り、話したいトピックをお互い書き出します。書き出したトピックを軽く共有し、どれから取り上げたいか決めて、そのトピックから話していきます。

上記のような雑談を最近は10人くらい(週2,3回)としています。
また雑談の相手は私と同じようなアジャイルコーチもいれば、プロダクトマネジメントをガッツリやっている人、テックリード的なエンジニア、組織にいる人がどうすれば輝くかに取り組んでいる人など様々です。

雑談でどんなことを話しているか?

  • 認知の4点フレームワーク
  • 期待のすり合わせは最初にする(後出ししない)
  • 新しい未知なことに1人で取り組むか、みんなで取り組むか
  • 学んだ知識と体験・経験がつながる瞬間
  • 認知負荷を小さく保つことと”健やか開発”
  • “自分でお金を稼ぐ”ことの意識の違い
  • 「今、ここでそれを言うことは誰のためなのか?」と問い続ける
  • “アジャイルコーチ”への期待値はなにでどうすりあわせるか?
  • 「感情を出す」と「こういう感情を持っていることを伝える」の違い
  • レッドピルを飲んで気づいた人への対応
  • やわらげ言葉レパートリー
  • 「モテたい」って言葉の正体
  • Vertical(Feature) vs Horizontal(Component) team
  • CleanCraftmanshipを読んだ
  • 職能横断チームのアンチパターン
  • 難しいことをやるんだから、やり方はできるだけ簡単にしようよって話

こちらは雑談でのトピックのほんの一部です。
こちらにあるように本当に雑多なものですが、お互いの活動領域や興味関心の範囲に近いことが多く、AgileやScrum、組織、人、チームビルディング、プロダクトづくりなどです。

余談ですが、同僚の市谷さんとの日曜朝に雑談の様子は 市谷聡啓×中村洋の〔アジャイルこぼれ話〕:新しいことに挑み続ける組織の、勝率を上げる戦い方とは?などで読むことができます。

雑談をやってみて感じること

トピックがどちらに出したにせよ、知的好奇心を持って探索な会話を一緒にやっていくことをとても楽しく感じています。

「なるほど、それってこういうモデル?」「その構造だとこういう考えもありそうやんね」「これとそれって実は近くない?」「だとすればこういうこれまでとは違う考え方が見つかるんじゃない?」といった探索的な会話のキャッチボールは自分にとって心地よく感じます。

そこにはどっちかが偉い/偉くない、絶対的に正しい/間違っているというものではなく、「その概念って少しズレているように自分は感じるわ」と躊躇なく自分の考えや感想を表明できる関係性もあります。これも心地よく感じます。

探索的な会話をしている最中にどんどん2人の考えやモデルが変化していったり、ある言葉や概念と一見関係なさそうな別の概念との間に思いもしなかった関連が見つかったりします。
それは、2人の間にある無数の水路がどんどんつながったりして新しく組み上がっていっている感じです。

そのような雑談が終わった後は、探索したことによる心地よい疲労感と新たな発見できたいことに対する充実感があります。

雑談仲間の1人であるAkiさん(@spring_aki)とは、このような様相を”相乗的オタトーク”や”創造的オタトーク”と呼んでいます。

おわりに

今回は、私がやっている雑談のことを書きました。

自分の考え方や体験を共有し、相手と探索的な会話をし、新たなことを見つけること。
これは、昔からハンガーフライトとしてやっていたものととても近いなと改めて思いました。

ぜひみなさんも、ハンガーフライトのような雑談をいろいろな人とやってみてはいかがでしょうか?

Photo by visuals on Unsplash

Regional Scrum Gathering Tokyo2022 に参加してきました #RSGT2022

Regional Scrum Gathering Tokyo2022(#RSGT2022)に参加してきました。
前回と同じくハイブリッド開催でしたが、(特に1日目は)現地に多くの人が参加してて、ちゃんとマスクなどしつつ、ホワイエや廊下など様々な場所で面白そうな会話が繰り広げられたり、笑顔も見えたり、とても雰囲気がよくて「あぁ、RSGTってやっぱりこれやなぁ」と強く思いました。

まず、実行委員、ボランティアスタッフのみなさんありがとうございました。

発表:【「いい感じのチーム」へのジャーニー】

2017年から6年続けてお話させてもらっていますが、もしかしたら今回が一番緊張したかもしれません。投票してくれたみなさん、ありがとうございました。
1日目の午後に話したのですが、リアルの場であれほど多くの人の前で話すのは約2年ぶりということもあり、どういう身振り手振りをしたらいいのか、どこに目線を持っていけばいいのかとかとかかなりドキドキしました。

それでも終わった後のDiscordでの反応やいくつか質問や感想を直接もらったのを見ていると、なにか役に立ったようで嬉しかったです。

今回、事前に、@kawaguti@bash0C7@spring_akiの3人にレビューしてもらって、多くのフィードバックをもらいました。最初は正直、ザラザラでゴツゴツした感じでしたが、3人のフィードバックを取り込み、だいぶ良くなりました。3人ともありがとうございました。

Coaches Clinic

こちらもいろいろな人が来てくれました。中には「去年もお話聞いてもらったし、この1年間取り組んだことを話したいです!」という人もいたりしましたし、こういう場に初めて来たけど、少し勇気を出して申し込んでみた人もいたりしました(みなさま、ありがとうございました)。

2022年の印象としては、これから初めてScrumに取り組みますというよりも”自分のこれまでの領域から出る”ところで立ち止まっている、困っている感じの話が多かったように思いました。
それだけScrumなどアジャイルなやり方はチームレベルでは広まってきていることかなと思いました(少なくとも参加者の所属企業では)。

ホワイエやDiscordでの雑談

自分の中で、1日目は「久しぶりですね!」感がだいぶ先行していましたが、2日目にはだいぶ感覚も以前のようになり、ホワイエや廊下などでいろいろな対話や議論などができました。
「セッションは動画で後で見よう!」と決めて、この雑談に振り切っていた感もありますが、それくらいここでの雑談は自分にとって知的好奇心が刺激されて得難いものです。

また、RSGTとしてのハイブリッド開催は2年目ということもあり、夜遅くまでDiscord上の様々なチャンネルでいろいろやり取りがされていました。

スポンサーブース

所属しているレッドジャーニーでGold Sponsorとしてほぼフルメンバーでブースを出したり、市谷さん(@papanda)がセッションをしたりしました。
多くの人が興味を持って足を止めてくれたり、旧知の人が来てくれた様子です。

次回のRSGT2023でも、こんな風にステキな経験ができる場だと感じるために、自分もまた発表できるような学びや出来事を手に入れたいですし、自分の貢献できることをやっていこうと気持ちを新たにできたRSGT2022でした。